開店のごあいさつ

みなさま、こんにちは。共著者の山崎直実です。

本日より、株主に響くコーポレートガバナンス・コードの実務のブログを開設します。

3月決算の上場会社では、ガバナンスコードへの対応が活況を呈してきました。すでに東証のコーポレートガバナンス報告書でコード対応の開示をした上場会社は111社となりました(8月末時点)。ガバナンス報告書での開示好事例も、9月11日に「投資家フォーラム」(http://investorforum.jp/)から発表され、投資家の評価や要望がわかるようになってきました。また、東証も6月以降のガバナンス報告書の提出状況を踏まえ、
FAQを改訂しています(10月)。今、12月26日締め切りのガバナンス報告書の提出に向けて最後の社内検討をされている上場会社の担当者は、これらの先行事例や状況を踏まえながら、準備を進められていると思います。

コーポレートガバナンス・コードは、グローバルスタンダードともいえる世界的なガバナンスのベストプラクティスです。したがって、コードをオールコンプライしてガバナンスの仕組みと体制を整えれば、現時点でのベストなガバナンス体制ということになります。しかし、経営環境は日々変化します。今後も今のガバナンスの考え方がベストプラクティスとは限りません。もっとよい方法が日本で生まれれば、それがグローバルなベストプラクティスとなり得ます。
例えば、海外では、委員会型の機関設計(日本では指名委員会等設置会社)が普通であり、日本の監査役会設置会社は欠陥があるように海外の投資家に言われがちですが、昨今、常勤監査役のもつ強力な社内情報網と、独任制の監査役の調査権を再評価する声も聞かれており、世界標準の機関設計もまだまだ進化する可能性があります。(もっとも、日本のコードでは監査役会設置会社が否定されているわけでなく、指名委員会等設置会社がベストだと言っているわけではないので、誤解なきよう)
オールコンプライだけが100点満点ではなく、むしろ、自社の置かれた経営環境とこれまでの会社の発展の歴史から、一部の原則を遵守せず、自社独自の方法を編み出し、これを資本市場に堂々とエクスプレインすることは、むしろ素晴らしいことだと思います。

このように、このブログでは、コードが求める100点満点にどれだけ近づくかという議論ではなく、いかに原則を超える新しい方法や考え方を生み出せるかという議論をしたいと思います。

みなさま、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。


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